針金で開けられるか

針金だけで鍵を開けることはできるのか


鍵開けはプロが行う作業として知られていますが、映画やドラマの中では針金を鍵穴に挿しこんで操作し、鍵を簡単に開けてしまうという描写がされることもあります。
こうした描写を見ると「自分でもできるのではないか」と思ってしまうこともあるのですが、現実で使用されている鍵に関しては、まずそう簡単に開けることはできません。
もし針金一本で簡単に開くようであれば、それは最早鍵とは呼べない代物でしょう。

ただしかし絶対に開くことが無いのかと言われればそれも違います。
実はかつてから日本国内でも広く使用されているピンタンブラー錠と呼ばれるタイプの構造は非常に単純です。
内部のピンを適切な高さまで持ち上げてから鍵穴を回してやれば開くという構造になっていますから、この構造を完全に把握して練習したことがある人であれば、針金が二本あれば開けられることもあります。
一本は通常通り鍵穴に挿入し、もう一本は根元に引っ掛けて横に軽く引っ張るというのが基本的な方法です。

挿入した方ではピンの位置を特定してから何度か持ち上げて適切な高さを探します。
ただピンは指などでは抑えることができませんから、横方向への力をくわえてシリンダーを回転させ、ピンが落ちないようにシリンダーに引っ掛けておくのです。
これをピンの本数分だけ繰り返し、途中でピンが落ちることなく全ての高さを揃えることが出来たのであれば、そのまま解錠することができるようになります。

こうした方法はピッキングの中でも比較的シンプルなものであり、一度もやったことが無い人であっても何日か練習すれば出来るようになることも珍しくはありません。
しかし2000年代以降はこのピッキングによる窃盗被害が全国で相次いだため、ドアに取り付けられる鍵に関してはピンの本数が多いものに切り替えたり、ディンプルキーというピッキングが困難なタイプに変更されるようになっています。
本当に勉強と訓練を積んだプロが適切な工具を使えば、よほど特殊な物を除けばどのようなタイプでも解錠することはできますが、ディンプルキーなどの高度なものになると、針金だけで開けることは非常に困難となります。

ですがいくら個人で練習を積んだと言っても、車の持ち主や家主などに断りを入れずに勝手に鍵を解錠するということは、言わずもがな犯罪行為です。
ただ窃盗犯などはそうした犯罪行為などお構いなしに行うわけですから、もしセキュリティに不安がある場合は、早い段階でより安全性の高い鍵に取り換えた方が良いでしょう。”